HOME ■自然栽培米ミナミニシキの独自の育苗方法■
熊本県では、5月中旬頃から稲の育苗作業が始まります。
熊本県玉名市で農薬も肥料を使用せずに
自然栽培米ミナミニシキを育てる前田 英之さんも
5/21に播種と苗床作業を行いました。
通常は、播種と苗床作業を2日に分けて行う事が多いと思いますが
前田さんは一日で播種と苗床作業を終わらせます。
この地域では、5月末は小学校の運動会時期と重なるんですね。
そのため、手伝いに来て頂ける方の都合が合わないこともあります。
今回は、男6人が集まりました。
男6人で1300箱分の播種と苗床設置作業をしました。
けっこう、ハードな一日でしたが
前田さんの播種と苗床作業は、
この周辺では、独自の方法のため時間内に終わることができました!
【目次】
自然栽培米農家の前田さんは、
栽培期間中だけでなく、全ての期間で
農薬や肥料、その他資材を使用しません。
苗箱に使用する育苗土にも
肥料分を加えていない山土を使用します。
自然栽培の世界においては
自然に入ってくる有機物ではなく
人為的に添加する肥料は、自然界に歪を起こすと捉えています。
そのため、
苗箱の育苗土にも肥料分を加えません。
初期成長は遅くなるのですが
その方が、結果的に
より純粋で生命力が備わったお米を作れると思っています。
一般には、種籾を播種する前に
温湯消毒 ⇒ 催芽処理をします(温湯消毒は、農家さんによります)
温湯消毒とは、
稲の種籾に付着していると思われる、
病気の原因となる細菌やカビを温湯で消毒する作業です。
大体、60度のお湯に10分ほど浸けますが
薬剤を使用しないので環境に負荷を与えない方法として
多くの米農家さんが実施します。
温湯消毒の後、
1週間弱水に浸けて芽出し作業(催芽処理)をします。
これにより、発芽が揃い
成育の揃った良い苗ができるという考えです。
しかし、前田さんは、
この温湯消毒も催芽処理もせずに
そのままミナミニシキの種籾を苗箱に播種します。
催芽処理をすると、通常は
種籾の胚芽の部分から白い芽が出ているのですが
上の写真のように白い芽は見えませんね。
前田さんは、この写真の種籾をそのまま播種します。
塩水選等もしないので
成育が不揃いな苗ができるのですが
前田さんが言うには、それも自然と。
均一性を求めていないのですね。
そこに、自分の都合を入れないそうです。
前田さんには、お米に触れる時
例えば、播種作業、苗箱を運ぶ時、田んぼに入る時と
独自のルールを決めています。
その独自のルールは、「楽しく作業する、良い言葉を使う」
このルールは人生全般に使えるルールですが
油断すると・・・つい という事もあるかもしれません。笑
でも、クセになってくると
不平不満や愚痴、泣き言、心配事の言葉は
心を重くして、気分が冴えなくなるので
聞くのも話すのも嫌になってきます。
前田さんは、手伝ってくれる人の労力を軽くして
楽しく播種作業ができるように機械の播種機を使用しています。
3年ほど前からこの播種機を使用を開始しましたが
要所要所に種籾や育苗土を補充して、
完成した苗箱を運べば良いので
かなりこの作業に関わる人は、肉体的に楽になりました。
今年は、1日1300枚の苗箱を準備しましたが
1日にMAX2000枚は準備できるようです。
地域によって異なるそうですが
苗床に苗箱を設置する際に
この周辺では多くの人が苗床に水を張っています。
前田さんも5年ほど前までは、苗床に水を張っていました。
こんな感じです↓
この方法は、水を張った土に足が取られ
けっこうハードな作業なんです。
何だか大変そうな雰囲気が伝わってこないですか?笑
農作業を手伝ってくれる人が楽しく作業できるように
年々改良してきた前田さんは、
現在では、水を張らずに苗箱を設置しています。
苗箱を設置する作業は
一日に1300枚もあるとけっこうハードな作業なのですが
水を張っていないので
作業効率はすごく上がっています。
男6人で一日に1300枚分の播種と苗床設置作業ができるのは
これまで改良を重ねてきたからですね。
主に男性2人がこの1300枚を並べる作業をしました。
最後に
播種後の種籾を守るために
被覆材(ラブシート)を掛けます。
播種後の種籾は、まだ弱い存在なので
ラブシートで直射日光や乾燥を防いであげる必要があります。
この被覆材(ラブシート)は、どの米農家さんも一般的に使用していますが、
2年前にこのラブシートをしないとどうなるのかを実験しました。
結果は、
成長が遅れるもののしっかり発芽して成長しました。
しかし、
鳥に幼苗を啄まれて、見るに耐えかねて
途中でラブシートを掛けた事がありました。
毎年、試行錯誤を続けて
年々と進化している前田自然農法米ミナミニシキの成長を
見守っていきたいと思います。
今年もより一層、安心安全で
食べた人が活力に溢れる自然栽培米ミナミニシキをお届けしていきたいと思います。
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