皆様が手に取って見る米粒。
どれも同じように見える米粒ですが、
そこには、
このお米を作るまでのストーリや生産者の想いが詰まっています。
見た目は同じでも、中身は全く異なっています。
私達は、
「生産者の想いが、お米という形になっている」と捉えており大事な事は目に見えないと考えています。
そのため、
私達が、お米を選ぶ際に大事にしている要素
それは、生産者なんです!
「昔の日本人が食べてきたパワーフードのお米」を追求して辿り着いた
「自然栽培で育てた発芽するお米ミナミニシキ」を育てる熊本県の自然栽培米農家さんを紹介します。
<目次>
生命力溢れる本来のお米を追求する自然栽培米農家:前田 英之
昔の日本人が食べてきた発芽するお米を育てる自然栽培米農家:
前田 英之(まえだ ひでゆき)
自然栽培歴:15年以上
1990年:農薬や化学肥料を使用しない栽培を始める
2006年:肥料(化学肥料・有機肥料)を一切使用しない自然栽培に切り替え
2009年:自家採種ミナミニシキに生命力の強さを感じ栽培開始
1990年に、”日本一の安心安全な美味しいお米”を作りたいと志を持ち、1町の面積で農薬・化学肥料を使用しない栽培を始めました。
当時栽培していた品種はヒノヒカリ。
九州で最も栽培されている品種で
粘り、甘味とも兼ね備えた定番品種です。
1990年当時は、
農薬や化学肥料は使用していませんでしたが
有機肥料は使用して栽培していました。
1990年代では、農薬不使用というのは変人扱いです。
周りの近隣農家からは、
「農薬・除草剤を使ってもらわんと困る」
「害虫がおたくの田んぼから入ってくるから何とかしてくれ」とか
周りからは疎まれる存在でしたが
安心安全な美味しいお米を目指していたので、
農薬は一切使用せずにその信念を通してきました。
左側が自然栽培のすごく草が生えている状態の田んぼです。
自然栽培米作り初期はこのような草に悩まされながら試行錯誤を繰り返していきました。
草は本来、土壌を作るために生えてくるので
草には草の重要な役割があります。
前田さんが農薬や除草剤を使用しない理由
それは、土壌微生物を殺してしまうからです。
草が生えて、土壌微生物が豊かだと土壌が作られ、土壌が段々とキレイになってきます。
また、
田んぼに住む土壌微生物の命が豊かで微生物の活力が増せば、お米自体の活力が増してくると感じています。
本物のお米を次の世代に残す
前田さんは、日本一の安心安全な美味しいお米を作りたいという考えから農薬不使用でお米作りを始めました。
2005年までは、有機肥料を使用していましたが
自然界を見た時に、ふっと疑問に思いました。
”自然界でこれほど有機肥料が入ることがあるのか?”
自分が使用する有機肥料に徐々に疑問を抱いたのです。
前田さんは、
「食べた人が元氣になる活力溢れる本物のお米を作り次の世代の子供たちに残していきたい」と考え
自然を規範として、2006年から全面積農薬不使用、肥料不使用の自然栽培米作りに切り替えました。
左側が、前田さんの自然栽培米の田んぼですが
稲の気持ちを考え、疎植しているのが分かります。
肥料(化学、有機)、その他資材を使用していないので葉の緑色も薄くなりますが、その分、葉を伸ばすのでなく、根っこを伸ばしています。
目に見えない部分=根を大事にしているのです。
真中を歩く人が自然農法家の前田さんです。
栽培当初は、農薬・肥料を一切使用しない栽培のために、周りの水田より成長が遅く、また農薬を使わないために周りから批判される事もありましたが、自然に則した栽培に確信を持って27年間栽培を進めてきました。
自家採種ミナミニシキに本来のお米の価値を見つける
前田自然栽培米ミナミニシキの最大の特徴は
現在ではほとんど栽培されていない【ミナミニシキ】を栽培していることです。
2006年の自然栽培に切り替える際に
前田さんは【ミナミニシキ】と出会いました。
1970年頃からコシヒカリの遺伝子を引き継ぐ
甘味と粘りを追求したコシヒカリ系のお米が世の中の主流となり、ほどんどの米農家さんはコシヒカリ系のお米を栽培するようになりました。
その中で熊本県の自然農法家が
昔のお米の特徴を持つミナミニシキに生命力の強さを感じ、今後、日本人が食べていく価値のあるお米だと確信し自然栽培水田で自家採種を続けてミナミニシキの種籾を守ってきました。
本来、私たち日本人が長い歴史の中、日常に食べてきたお米は、あっさりしたお米でした。
江戸時代の飛脚は一日に150km以上を走っていましたが、走っている際の食事は、お米と麦を混ぜた麦飯のおにぎりと漬物程度、普段の食事も麦入り玄米ご飯に漬物、味噌汁、たまに魚の塩焼き程度です。
日本では、昔から
ハレの日(祭事など特別な日)にはお餅など甘味や粘りのある餅米を食べ
ケの日(普段の日常)にはあっさりとしたお米を食べていました。
1980年代頃から、粘り、甘味を追求した品種改良が進められ甘味や粘りがあるお米が美味しいお米の代名詞となりほとんどのお米はコシヒカリ系となりました。
しかし、
稲作3500年の歴史を見ると、3450年以上は日常にはあっさりしたお米を食べていたはずです。
自然栽培米農家 前田 英之のお米に対する想いと3つの約束
前田さんは、
食べた人が元氣で活力に溢れる本物のお米を追求した結果、それは、甘味や粘りを追求して品種改良されたお米でなく、昔の日本人が食べていたようなあっさりしたお米が良いと気付きました。
前田さんは、ミナミニシキを食べた時に
腸内細菌が喜んでいるという表現を使いますが
水田の土壌微生物が喜び豊かになる栽培方法をしていると人間の腸内細菌が喜ぶ食べ物ができるかもしれません。
前田自然栽培米ミナミニシキの想い
現在は、自分の子供達とともに自然栽培米を広げたいという思いから息子さんの名前をとり”健ちゃんファーム”と名付けて、次世代に前田自然栽培米ミナミニシキを伝えていきたいという夢を持っています。
前田さんは、皆様に生命力の溢れるお米を食べて頂きたいと思っています。
そのため、下記の3つの約束をしています。
1.無農薬・無肥料の自然栽培でお米を育てます。
2.自然栽培米水田で自家採種したミナミニシキの種籾から育てます。
3.田んぼでは、良い言葉と想いを持って稲に接します。
前田自然栽培米ミナミニシキを通して、太陽・水・土の自然の力をお届けし、活力の溢れる日本を創っていきたいと考えています。
人の体に良い本物の食を追求する元療養食コック:縄田 伊知郎
伝統のミナミニシキを湧き水で育てる自然栽培米農家:
縄田 伊知郎(なわた・いちろう)
自然栽培歴:15年
2000~2007年 療養食コックとして病院に勤める
2008年 自然栽培を開始
食で人の体は変わると実感した元療養食コック
「食」という字は、「人を良くする」と書きます。
この漢字の成り立ちと本来の意味を、実体験を通して縄田さんは知りました。
縄田さんは自然栽培を始める前まで、療養食コックとして病院で働いていました。
療養食には、無農薬・無化学肥料の野菜が使われており、アトピーや糖尿病の患者さんに提供されていたのです。
縄田さんは、自分が作った療養食を食べた患者さんの体が明らかに改善されてゆくのを見て強く実感しました。
「人の体は、自分が食べたものでできている。人の体は食で変わる」と。
この経験がきっかけで、体に良い本物の食べ物を追求することになり無農薬・無肥料の自然栽培農産物に出会いました。
自分も自然栽培農産物の作り手になろうと決意し自然栽培米農家に転身したのです。
人の体に良い本物のお米を「湧き水」で育てるこだわり
縄田さんは自然栽培を始めるとき
周囲から「無理だろう」と反対されたといいます。
日本の農業のうち、全体の0.05%以下といわれている自然栽培に未経験で挑むのは、非常に困難だと思われたのです。
それでも縄田さんは自然栽培米の可能性を信じ
無農薬・無肥料のミナミニシキ作りを諦めませんでした。
自然栽培は自然界の法則に沿った栽培なので虫の被害にも遭いにくく、縄田さんは、”自分のお米が自然に受け入れられたと実感”したと言います。
縄田さんは、「自分でも飲めるきれいな水」で自然栽培米を育てることを大事にしています。
お米作りにおいて、水は重要なポイントです。
収獲したお米自体にも15%の水が含まれているので
美味しく体にも良いお米を作るには、清らかな水が必要不可欠です。
縄田さんは自分の田んぼに
山から湧き出る「湧き水」を使用しています。
縄田さんの田んぼは、玉名の奥に位置しているので
山からきれいな水が豊富に湧き出るのです。
この湧き水のおかげで田んぼの土もきれいに保たれ
カエルなどの生き物も豊かに暮らすことができ
たくましい稲の成長を支えることにもつながっているのです。
縄田さんが語る自然栽培米ミナミニシキの特徴
ミナミニシキは、硬質で歯ごたえがあり、、、噛むほどにうま味が増す昔ながらのあっさりしたお米です。
昔は熊本県下でよく栽培されていましたが、次第にもちもちした粘りと甘さのあるお米の陰に隠れ今では九州のごく一部でしか作られていません。
しかし、縄田さんは「あっさりしているからこそ飽きずに食べられるし、おかずの味も邪魔しない」といいます。
最近では「ミナミニシキの名が広がってきていて需要が多くなっている」ともいわれているそうです。
そんなミナミニシキを縄田さんは
安全品質に徹底した無農薬・無肥料・自家採種で育てています。
縄田さんの自然栽培米ミナミニシキは
安心安全・美味しさ・健康的という3つの要素を約束して届けられています。