日本には、たくさんのお米の品種があります。
現在登録されている数はおよそ900種。
そのうち主食用として食べられているのは、270種ほどです。
お米は、その土地や風土、人々の好みに合わせて
改良され続けてきました。
今では甘さと粘りが美味しいとされ
コシヒカリが、日本の美味しいお米の代名詞になっています。
そして、日本に出回るお米のほとんどに
コシヒカリの遺伝子が組まれています。
でも、コシヒカリの遺伝子を含まない
あっさりとした食味のお米があることをご存知でしょうか。
そのお米は現在、九州の一部の地域でしか作られていない
希少なお米なんです。
ミナミニシキとは?
今から46年前、熊本の奨励品種となったお米があります。
それは、父に秋晴、母に南海43号(トヨタマ)を持つお米、ミナミニシキです。
奨励品種とは、各都道府県が
その都道府県に普及するべき優良な品種として決定した作物のことです。
奨励品種として熊本県の各地で作れていたミナミニシキは
一時は1985年に、13.2%の栽培面積を誇り
1987年には、熊本県のお米の中では53%も占めていました。
熊本県人の2人に1人ミナミニシキを食べていたことになります。
しかし今は、0.5%以下にとどまっています。
なぜこれほどまでに減ってしまったのでしょうか。
ミナミニシキが作られなくなったのはなぜか
ミナミニシキは、いもち病(稲特有の病気)にも強く
安定的に多収の品種であるのにもかかわらず
今ではめっきり生産量が減ってしまいました。
その理由は主に2つあるといわれています。それは
①甘さと粘りのお米が台頭してきたから
②1987年に、茶米が大量発生し、品質の信頼を失ったから
ミナミニシキの食味は、あっさりしています。
このあっさりとは対照的に
モチモチした粘りと甘さのあるお米が人気となってきました。
昭和59年にはコシヒカリが奨励品種として採用されると
熊本県下ではコシヒカリの栽培が一気に広まり
さらに平成元年には、ヒノヒカリが採用。
瞬く間に、主力品種はヒノヒカリに移行しました。
このような背景からミナミニシキは
コシヒカリやヒノヒカリの勢いにのまれ
徐々に作られなくなってきたのです。
でも、ミナミニシキには
コシヒカリなどのお米にはない効果が期待されているんです。
それは、ミナミニシキに含まれるアミロースという成分。
この成分が多いほどGI値が低いといわれているため
糖尿病をはじめとしたメタボリックシンドロームなどの生活習慣病にも良く作用するとされ
近年では、食事療法にも利用できるお米として、期待が高まっているのです。
ミナミニシキは今どこで作られているのか
ミナミニシキは今、九州の一部の地域で作られています。
かつては盛んに作られていた熊本県でも
今も根強く残っている地域があります。
それは、江戸時代には米の集積所として
重要な商港が栄えていた玉名市(たまなし)です。
そこで、無農薬・無肥料のミナミニシキを作り続けている
前田英之(まえだ・ひでゆき)さん。今年で生産14年目に突入します。
前田さんのミナミニシキは、全国から買い求めるお客様が多く
「冷めても臭みがなく、とても美味しく食べやすい」
「体が求めていた本物のお米」
「あっさりしているのでモリモリ食べられるし、子どももたくさん食べてくれる」
「アトピー体質の子どもにも安心して食べさせられる」
などのご感想をいただいています。
令和二年度も
自然の生命力があふれる力強いミナミニシキが育つといいですね。