こんにちは!自然栽培米専門店ナチュラルスタイルの井田です。
ミナミニシキは
九州のごく一部でしか作られていないお米です。
今となっては希少なお米ですが
昔は熊本県においてよく作られていました。
多くの熊本県民に食べられていたのです。
しかし時代の流れとともに栽培農家は減り
その名を耳にすることも
めっきり少なくなりました。
人気だったミナミニシキの栽培が
なぜ減ってしまったのか。
そしてそんな中でも
ミナミニシキを難しい栽培といわれる
自然栽培で作っている前田さんと縄田さんについて
ご紹介します。
ミナミニシキの歴史
ミナミニシキは
今から46年前に熊本県の
奨励品種となったお米です。
奨励品種とは、都道府県が
優れた品種として認め
広く盛んな栽培を目指された品種のこと。
ミナミニシキは
熊本県の各地で作られていました。
1985年には、13.2%の栽培面積があり
1987年には、熊本県のお米全体の53%を
占めていました。
熊本県民の半数以上がミナミニシキを
食べていたのです。
しかし今の作付面積は0.5%以下です。
作られなくなった背景には
以下の2つの理由が挙げられます。
①コシヒカリなどモチモチした品種が
人気となってきたから
②1987年、ミナミニシキに茶米が大量発生し
品質の信頼が損なわれたから。
ミナミニシキは
硬質であっさりした食味です。
したがって今
美味しいお米の代表格となっている
コシヒカリとは対極にあるお米です。
コシヒカリの台頭により
次第に影が薄くなり
しかも、茶米の大量発生も重なって
衰退してしまったのです。
ミナミニシキは自然栽培に向いている
もともとミナミニシキは
稲特有の病気である
いもち病にもかかりにくく
多収の品種です。
そして
晩生(おくて)で長稈であることも
特性の一つです。
(晩生=栽培時期が遅い
長稈=稲の高さが高い)
これは
昔の品種に多く見られる特性です。
古代米なども該当します。
つまり、ミナミニシキは
昔の栽培方法である
無農薬・無肥料の自然栽培こそ
向いている栽培だといえるのです。
農薬や肥料の力に頼らず
ミナミニシキ本来の力を
最大限に引き出している農家が
熊本県玉名市の前田さんと縄田さんです。
ミナミニシキを自然栽培で作る前田さんと縄田さん
すっかり衰退したミナミニシキですが
その種は、熊本の農家によって
大切に守られてきました。
その種を継ぎ
現在もミナミニシキを栽培し続けているのが
玉名市の自然栽培米農家
前田英之さんと縄田伊知郎さんです。
お二人とも、ミナミニシキを
不純物を含まないきれいな土壌で
無農薬・無肥料・自家採種で作られています。
さらに田んぼには
玉名を流れる菊池川の清らかな水を使用。
種まきから収穫まで
徹底した安全品質にこだわり
食べる人の体に活力を与えるような
自然栽培米ミナミニシキの栽培を実践されています。
まとめ
前田さんは、自然栽培や
ミナミニシキの素晴らしさを
より多くの人に知ってもらうべく
新たな農家さんの発掘や
コミュニティとの交流など
精力的に活動されています。
2021年の始まりも
コロナ禍に大きく影響されました。
ウイルスに負けない
丈夫な体を作るためには
免疫力を高めることが大事だと
前田さんはいいます。
そのためには何よりも
免疫細胞が集中する腸内細菌を
活性化させることがポイント。
腸内細菌の活動の源となるのは
体にとって良い食べ物です。
自然栽培米は、コロナ禍において
重要な主食となりうるでしょう。