熊本県玉名市の自然栽培農家前田英之さんは
自然栽培でミナミニシキを作られていますが
前田さんは自然栽培を始める前
ミナミニシキのパワーを確認するため
1年間ミナミニシキを食べました。
その結果、それまで感じていた
胃もたれがなくなり
体中に活力がみなぎるのを体感したそうです。
体がこんなにも元気になったのには
腸内細菌が活躍しているからだと
前田さんは思っています。
自然栽培の土壌微生物の活躍が
腸内細菌を活性化させ
人の体を元気にするのです。
前田さんは、この土壌微生物と
腸内細菌を自然栽培において
重要視しています。
ミナミニシキ作りで重視している土壌微生物の働き
土壌微生物は
作物の成長に欠かせません。
土壌微生物には
生き物の死骸や排泄物などの
有機物を無機物に分解し
作物の生育に必要な養分へと
変える働きがあるからです。
土を手ですくっても
土壌微生物たちは肉眼では見えませんが
1gの土の中には
10億以上もの微生物がいる
ともいわれています。
これら土壌微生物の働きは
土に含まれる物質に大きく影響されます。
農薬や肥料などの化学物質は
土壌微生物は分解できません。
そのまま作物に吸収されてしまうのです。
したがって化学物質が含まれる土には
土壌微生物にとってエサがないので
微生物は死滅してしまいます。
さらに、農薬や肥料が長年使われた農地で
育てられた作物は栄養価が低い
という研究結果もあるそうです。
前田さんは以前
田圃整備の仕事をしていたとき
田んぼの中に腐食した化学肥料が
紫色のヘドロの層となって
溜まっているのを見たことがあるでそうです。
この光景をみて前田さんは
農薬や肥料を一切使わずに
ミナミニシキを作ろうと固く決意したそうです。
自然栽培と腸内細菌の関係とは?
私たちの体の中には
たくさんの種類の菌がいます。
中でも腸内細菌は
人の体の健康を保つ上で
非常に重要な役割を担っています。
人の体に備わっている免疫機能の
70%が腸内にあり
腸内細菌は実に100兆個も
存在しているといわれているのです。
食べ物を分解し
の栄養吸収を促したり
悪玉菌などの悪い菌を減らしたりする
腸内細菌のエサは
不純物を含まない食べ物。
つまり、農薬や化学肥料を使わない
自然栽培の作物は、腸内細菌を元気にする
大切なエネルギー源になるのです。
田んぼの中の生き物たちが腸内細菌を活性化させる
腸内細菌を元気にする作物が生まれるのは
農薬や肥料を含まない
きれいな田畑です。
不純物が含まれない田畑には
土壌微生物たちが活発に棲みつき
作物の成長を支え、栄養価も高くします。
前田さんはいいます。
「害虫が寄り付いても構わない。
そのような虫たちの存在が腸内細菌を増やし
体を丈夫にしてくれるでしょう」
自然栽培は、害虫駆除のための
農薬も使用しません。
益虫たちの活躍により
害虫を寄せ付けない環境が
出来上がるのです。
田んぼの中の生き物たちが
こうして共存していることで
農薬に頼らない栽培が可能となり
土壌微生物たちも活発に働くことで
腸内細菌が求める作物を
作り出しているのですね。
まとめ
コロナウイルスの
第三波が押し寄せている今
免疫力を高めたり
体に良い食事を心がけたりと
意識が変わったという人もいるでしょう。
健康を保つには
腸内細菌の働きが重要です。
体にとって良い食べ物とは
腸内細菌にとって良い食べ物。
前田さんは
腸内細菌が喜ぶミナミニシキを
これからも作りたいと語ってくれました。