日本における農業のうち
自然栽培の普及率はわずか0.05%といわれています。
農薬を使った栽培が9割を占める中で自然栽培に取り組むのは、非常に困難なこと。
労力と時間がかかる上に周囲から疎まれることもあるのでそれだけで生計を立てるには、よほどの覚悟が必要なのです。
米作り2000年の歴史を誇り全国でも有数の米所として知られている熊本県玉名市。
そこで、自然栽培米ミナミニシキを作っている農家前田英之さんがいます。
前田さんが自然栽培に取り組むきっかけとは?田んぼの中に見た有害なあるモノとは?
<目次>
自然栽培米ミナミニシキを作っている前田さん
前田さんは、無農薬・無肥料のミナミニシキの栽培を2006年から始めました。自家採種も行っています。
田起こしから苗作りは自然由来の水や土のみを使い除草にもジャンボタニシを活用するなどし不純物を一切入れ込まないという無農薬・無肥料栽培を徹底。
さらにミナミニシキだけでなく、ミナミニシキ玄米を100%原料にした玄米コーヒーや米ぬかも販売。
今となっては希少なミナミニシキをたくさんの人に届けてきました。
そんな前田さんは、もともと慣行栽培を行っていました。栽培品種は、九州で作付面積第1位のヒノヒカリを作っていたのです。
その頃ミナミニシキはあまり作られておらず、さらに無農薬の自然栽培をするのにも覚悟が必要でした。
前田さんが自然栽培に取り組むきっかけとは?
前田さんは、慣行栽培でヒノヒカリを作っている中、これからの時代は、自然栽培米が必要ではないかという想いを抱きました。
体に優しい無農薬・無肥料の自然の生命力にあふれた力強いお米を届けるためにもまず、自分の体で自然栽培米のパワーを実感したい。
そう思った前田さんは、一年間、自然栽培米ミナミニシキを食べ続けてみました。
すると、それまで感じていた胃もたれがなくなり、病気にもかかりにくくなって、体重が落ち筋肉質な体になったそうです。
改めてミナミニシキのパワーを体感した前田さんは無農薬・無肥料の自然栽培米の栽培を決意したのです。
前田さんが見た肥毒の正体
前田さんは以前、土木整備のお仕事をしていました。
田圃の補助整備を行い作物を作りやすい環境作りをしていたそうです。
前田さんはそこで、肥毒を見つけました。
それは、長年土の中で使われ、溜まり残っていた肥料によるものでした。
その光景を目の当たりにした前田さん。
農薬や肥料を使うと地層はどうなるのか、思い知ったそうです。
衝撃的な肥毒の様子は、前田さんの心に突き刺さりました。
これを見て前田さんは、自分の田んぼには農薬や肥料を入れてはならない、と強く思ったそうです。
前田さんに、「無農薬でお米はできるのか」と伺った時に、その時見た光景をお話頂きました。
前田さんは、非常に自然を見る力があり、田んぼの状態を見ながら、無農薬・無肥料をベースに栽培方法を変えていきます。
栽培マニュアルに沿って栽培するのではなく、田んぼを見て、稲の声を聞いて栽培する人は少なくなってきたかもしれません。
無農薬・無肥料で育った力強いお米をお届けしていきたいと思います。