自然栽培米を全国に発信している
ナチュラルスタイルの拠点は
九州のおヘソ、熊本県です。
歴史と自然に育まれ
名所や名物もいっぱいの熊本ですが
2016年4月に地震が
さらに今年7月には水害が起き
これまでにない未曾有の災害に
県内の広い範囲で甚大な被害に遭いました。
農家さんも
多大な被害に遭ったことでしょう。
熊本県玉名市で自然栽培米ミナミニシキを作る
前田さんも、今回の水害で田んぼが浸水したそうです。
米作り2000年の歴史がある熊本県
熊本県玉名市の自然栽培米農家、前田英之さんは
20年間以上「昔の日本人が食べてきたパワーフードのお米」を
追求し、無農薬・無肥料のミナミニシキを栽培しています。
ミナミニシキは、コシヒカリ系の遺伝子が入っていないお米。
なので、食味はあっさりしています。
前田さんがミナミニシキを作っているのは
熊本県玉名市の菊池川流域です。
九州で10番目の長さと言われる一級河川である菊池川。
阿蘇山の麓から流れ出し
現在の菊池市、山鹿市、和水町、玉名市を通り、有明海に流れ込んでいます。
菊池を含む菊池川流域では、歴史的な古墳や城、棚田など
数多くの史跡が残っており
米作りは2,000年前から行われていたと考えられています。
平成29年には、菊池川流域の
「二千年にわたる米作り」のストーリーが日本遺産に認定されました。
美味しいお米作りに欠かせないお水が豊富!
熊本県は“火の国”とも呼ばれていますが
“水の国熊本”ともいえるほど
清らかで美味しい水が湧き出る地域です。
県内各地には、1000箇所以上の湧水地があり
環境省が選定する名水地は、全国トップの8箇所。
さらに地下水も豊富に湧いていて
水道資源の依存割合が全国平均2割に対して
熊本県は8割も依存しているのです。
蛇口をひねれば
どこでも美味しいミネラルウォーターが出る。
この恵まれた水源で、熊本県は昔から
美味しいお米を作ってきたんですね。
重要な商港駅として栄えていた玉名
菊池川の河口にある玉名市は
1600年頃に米の集積場が設置され
当時重要な商港として栄えていました。
玉名市には今でも当時の米蔵が保存されており
蔵の外には運河が流れています。
ここから日本全国に、肥後米が出荷されていたんですね。
江戸時代の肥後米は、将軍への献上米として扱われるほど
有名で貴重なお米でした。
その後、平民の間でも寿司米として大切に食され
肥後米に匹敵するお米はないと言われるほど
高い評価を受けていたのです。
恵まれた環境と清らかな水資源で
豊かな米作を維持してきた熊本県。
ここ数年は災害が続いており
ときとして自然の猛威には為す術もありませんが
昔から自然と向き合い、自然に沿って
農業を行ってきました。
前田さんも、それに合わせて自分も進化していくことが
大事だといいます。